ARISE / The Godly Work Of Art

arisethegodlyworkofartスウェーデンのデスラッシュ/メロデス・バンドの’01年1st。

AT THE GATESのTomas Lindbergみたいな甲高いグロウルに、疾走感溢れる2ビート主体のデスラッシュ・ナンバーが主体の作品。邪悪さも残しつつ叙情性も加味したリフの数々もあって、まさにスウェーデン産メロデス/デスラッシュらしさ全開のサウンド。ギター・ソロはメロディアスなだけでなくかなりテクニカルで流麗なところも魅力。THE CROWN辺りが好きな方にもぜひとも聴いてみてほしいです。Tr.3はリフそのものもズバリTHE CROWNぽいですw

サウンド・プロダクションも厚みがあってクリアで良好ですが、モダンすぎない音作りであるところも素晴らしいところ。言ってみれば、THE DUSKFALLの2nd~4thくらいの質感に近いです。THE DUSKFALLほどリフや構成はキャッチーではなく、よりデスラッシュ色が強くてリフもソロもテクニカルといったバランス。

大体の曲は3分程度で駆け抜けますが、6分弱のTr.3や、7分のTr.4など、展開のある曲やミドル・パートを軸にした曲もあります。こういった曲はメロデス色が強め。1曲通してずっと疾走という曲はほぼ無いですが、疾走感は全体的に強め。ブラスト・ビートではなく、高速2ビート主体のデスラッシュが好き!という方や、ほどほどにメロディックさのあるデスラッシュが好きな方、疾走感のあるメロデスが好きな方、ギター・ソロがカッコいいメロデスが好きな方など幅広くオススメできる名作!なお、Tr.10「Motorbreath」はMETALLICAのカヴァー。

ARES KINGDOM / Firestorms And Chaos

areskingdomfirestormsandchaosUSのスラッシュ/デス・メタル・バンドの’08年編集盤。

’03年、’05年、’07年のEPの音源やデモを収録した13曲入り編集盤。ヴォーカルはグロウルながら、リフやリズムにはスラッシュ・メタル色が残っており、初期のDEATH、初期のBATHORY、BULLDOZERなどを思わせるスラッシュ・メタルとデス/ブラック・メタルとの橋渡し的な音を出していたバンドに近いサウンド。ただし、それらと違って疾走パートがメインでは無く、疾走感はむしろあんまり無いのが特徴。疾走パートで若干ズレ気味に前のめりに突っ走るがむしゃらなドラムは好みが分かれそうですが、カッチリしすぎていないスラッシュ/デス・メタルが好きな方にオススメ。

トータルでは、ミドル・パートを軸にした緩急のある展開でも聴かせるサウンドで、Tr.1から何気に6分程度で構成がよく練られた曲に仕上がっています。また、キャッチーなリフを軸にしたTr.2、3のようなミドル・ナンバーや、3分程度ながら展開が多めのTr.6のようなちょいテクニカルな曲もあり。サウンド・プロダクションは粗めで’80年代後半的な感じですが、その割にはギター・ソロは案外練られていて構築感があるのが意外といえば意外。カッチリしすぎずメロディアスという点では、BULLDOZER辺りを思わせるようなソロと言えます。曲によってはかなりの弾きまくりぶり。

リフにキャッチーさはあるものの、メロデスというほどメロディックなところはほぼ無く、やはりスラッシュ・メタルくらいのキャッチーさといった感じで、R&R色がある曲もあり。スラッシュ色強めのデス・メタルや、デス & ロールとか好きな方に聴いてみてほしい作品。

ARCH ENEMY / Wages Of Sin

archenemywagesofsinスウェーデンのメロディック・デス・メタル・バンドの4thにして人気の女性ヴォーカル、アンジェラ・ゴソウが加入した最初のアルバム。

彼女はこの作品からKHAOS LEGIONSまでのアルバムに参加、バンドの一時代を支えていきます。よくヨハンと比較すると一本調子だと言われたりもしますが、エクストリーム・メタルの女性ヴォーカルが注目を浴びるようになったのはやはりこの人の存在と加入時の活躍による功績が非常に大きいと言えます。そういった意味ではエポック・メイキングな1枚。

リフはより正統派メタルに接近、チューニングも若干上がり、以前のようなドゥーミーさはさらに薄れると同時に、デス・メタルらしい突進力も減退したのも事実ですが、兄弟の流麗な泣きのギター・ソロに変わりはありません。聴きやすさでいえばトップ・クラスのメロディック・デス・メタル。メロデスやエクストリーム・メタル系に馴染みが無い方の入りにも適した1枚。

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ARCH ENEMY / Burning Bridges

archenemyburningbridgesスウェーデンのメロディック・デス・メタル・バンドの’99年3rd。

ヴォーカルがヨハン・リーヴァだった時期の最終作にして、初期からのファンの中では最も人気の高いアルバム。突進するリズムと、メロディアスでキャッチーかつダークなリフの組み合わせが実に素晴らしい1枚。ドゥーミーだった前作2ndと比較すると、ドゥーミーさはかなり薄れています。また、リズム隊がチェンジしており、(Ds)にはダニエル・アーランドソンの復帰、(B)にはシャーリー・ダンジェロが加入。ヨハンの表情豊かな叫びも素晴らしいです。

また、このアルバムに収録されているTr.4「Silver wing」という曲は、メジャー・キーでのギター・ソロが非常に印象的な曲。どこか爽やかで、しかしとても切ない泣きのソロが凄まじく、題名どおり飛翔するような感じです。疾走感があって、メロディックさも十分な、メロデスらしいメロデスが聴きたい方に実にオススメな一枚。

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ALCHEMIST / Organasm

alchemistorganasmオーストラリアのプログレッシヴ・エクストリーム・メタルによる’00年4th。

中近東風のフレーズでミステリアスな雰囲気のTr.1や、Tr.2~4までつながった計15分程度の大作など、頭からじっくり聴かせてきます。トライバルなリズムも盛り込んだTr.5などもあり、ヘヴィなサウンドを軸にしつつその音楽性は柔軟かつ多彩。ギター・ソロっぽいソロはほとんどないですが、たまに泣きのリード・フレーズなどを聴かせてきます。アクセントをズラしたリズムを駆使しつつ、手数も多めのドラムはなかなかのカッコよさ。

ヴォーカルは地声成分の残ったスラッシュ・メタル/ハードコア風の咆哮スタイルをメインに、呪術的な低音歌唱も織り交ぜたスタイル。基本はヘヴィなギター・リフですが、所々キーボードを効果的に使用するところにセンスを感じさせてくれます。ドゥーミーなTr.4でそれがよく分かります。変拍子主体のTr.8はかなりのカッコよさ。ヘヴィなリフや、咆哮スタイルのヴォーカルを軸にしつつ、テクニカルなリズムや個性的な展開がある作品が聴きたい方にオススメ。

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AION 6 / Perfect Grey

aion6perfectgreyロシアのメロディック・デス・メタル・バンドの’12年1st。キーボード入り、ツイン・ギター編成の6人組。

ジャケットからもなんとなく伝わる通りの、宇宙的だったりコンピュータ的だったりする質感のキーボードをフィーチュアし、クリーン・ヴォーカル・パートもふんだんに盛り込んだモダン・メロデス。ギターのバッキングも非常にメロディアスで、ドラマティックさは非常に高め。ただ、クリーン・パートの比重が多すぎて、むしろデス・ヴォイスを利用するモダン・メロパワといった方がイメージは近いかもしれません。しかもヴォーカルはパワフルなハイトーン・シャウトを聴かせてくれる実力派。

ギター・ソロ、キーボード・ソロの流麗さやメロディアスさも特筆もので、泣きのソロも聴かせてくれるギターはかなり見事。所々決めてくれるユニゾンやハモりもGood。モダンな作品らしくスネア裏打ち疾走はほとんどないため、疾走感はイマイチですが、アップ・テンポなパートを軸に、一瞬だけブラストを絡めたりするドラムもなかなか。変にビート・ダウンがあったりとか、メタルコア色が無いのも魅力の一つです。キーボードやクリーン・ヴォーカルがガンガンにフィーチュアされたドラマティックなモダン・メロデス、モダン・メロディック・メタルが好きな方に非常にオススメ。

ADIMIRON / Burning Souls

adimironburningsoulsイタリアのテクニカル・メロディック・デス・メタル・バンドの’04年1st。

不穏なトレモロ・リフやコードはブラック・メタルっぽさがありつつ、メロディックな刻みリフはメロディック・デスといった感じのサウンド。ヴォーカルはグロウルと掠れデスの中間みたいな感じで、ENSLAVEDのグラトルを思わせるような汚さがGood。展開が多く、疾走感のあるパートと、スローなパートとの切り替わりも秀逸で、スリリングなサウンドを聴かせてくれます。ブラック・メタル色強めのパートからメロデス風パートへ移行とか、変拍子の使用とかそういったテクニカルな面もある、捻くれてちょいテクニカルなメロデスといったところ。

リズム面がテクニカルでありつつ、叙情的なトレモロ・リフや刻みも聴かせる展開も盛り込み、スウィープ連発のテクニカルなソロもかましてくれるTr.3が秀逸。ほぼインストのTr.5もメロディアスでありながら邪悪な雰囲気が漂っていてGood。正統派メタル的なリフで始まったかと思ったら中間でブラック・メタル的なブラスト・パートが入る展開が強烈なTr.6は、様々な要素が聴ける濃厚な曲。ブラック・メタル色強めのTr.8もカッコいい。

展開多めでありつつ、メタルという範疇からは決して外れておらず、あくまでデス/ブラックの中で多彩な展開とテクニカルな演奏で聴かせてくれる、ブラック色のあるメロデスが聴きたい方にオススメ。コレは隠れた名盤といえるでしょう。

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METALSTEEL / Entertainment

metalsteelentertainmentスロヴェニアの正統派メタル・バンドの’10年4th。この界隈ではかなり珍しい、女性ドラマーを擁するバンド。

厚みのあるクリアなサウンド・プロダクションと、安定感ある演奏でショボさは一切無し。METALSTEELというド直球なバンド名を裏切らないピュアな哀愁の正統派メタルを聴かせてくれます。タイトかつ抜けの良いなドラムに、構築感があり非常に流麗で、かつ音の粒立ちもクリアなギター・ソロが魅力的。アーミングを使った小技もGoodです。ヴォーカルは声質的にはロブ・ハルフォードに近いですが、ハイトーンはあまり使わないのが特徴的。

硬質なリフと哀愁の歌メロのアップ・テンポ・ナンバーをメインに、ミドル、疾走曲もバランス良く収録。メロパワっぽいイントロの疾走ナンバーTr.5はMETALIUM、HAMMERFALLなどの正統派寄りのメロパワ・バンドなどに通じるところがあるアツいナンバー。HELLOWEEN、GAMMA RAYみたいなドラマティックなギター・ソロも素晴らしいジャーマン・メロパワ臭のする1曲です。JUDAS PRIESTの疾走ナンバーを思わせるようなTr.7、ヴォーカルのアツい歌唱が活きたTr.8も聴きどころ。

とにかくこのテのジャンルの中でもギタリストのソロ構築のセンスが頭一つ抜けているのが特徴で、どの曲でも印象的な口ずさめるようなフレーズとスリリングな高速フレーズがあるのが素晴らしいところ。超絶技巧系ではないものの、十分に楽しませてくれる素晴らしいギタリストです。JUDAS PRIESTをもうちょっとだけメロディアスに哀愁を増したようなものが聴きたい方にオススメ。全編期待を裏切らない100%ピュア・メタル・サウンドで溢れています。全10曲(Tr.1は短い導入部)、各々4分前後とちょうどいい長さもポイント。

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MAN IN PAIN / Warrior

maninpainwarriorアルゼンチンの正統派メタル・バンドの’12年2nd。

’90年代パワー・メタル的な切れ味鋭い硬質なリフ、ハイトーン・シャウト、2バス連打とまさに正統派メタルな曲をTr.1からかましてくれます。歌心を感じさせるフレーズに速弾きや、少々のスウィープなどのテクニカルなプレイを織り交ぜたギター・ソロもGood。ヴォーカルは声の高さはかなりのものであるものの、芯が若干細い印象があるのが難点。歌メロも高音域メインで若干起伏に欠け、サビ以外が印象に残りづらいのも難点。ただ、サビは哀愁があってキャッチーですし、トータルではクサすぎないという点でむしろ気に入る方もいるでしょう。

硬質なリフのミドル・ナンバーがメインですが、泣きのソロとクリーン・アルペジオによるバラードTr.5、疾走ナンバーTr.6のような曲もあり。前半は疾走感が低いですが、Tr.6以降続けてアップ・テンポ・ナンバーが続くのでトータルでの疾走感は並。少々曲の配置のバランスが悪いですが、収録曲の種類のバランスは良好です。タッピングを駆使した構築感あるギター・ソロが聴けるTr.4、疾走感があって他よりも歌メロも全体的に哀愁があって聴きやすいTr.6などが聴きどころ。

どらかといえば、JUDAS PRIEST、ACCEPT辺りが好きな方にオススメ。あれらよりもう少しリフに’90年代的なヘヴィさが加わっていますが、まさに正統派メタル一直線なサウンドですので、B級でも正統派が好きだ!という方はぜひ。

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DANTALION / Return To Deep Lethargy

dantalionreturntodeeplethargyスペインのブラック・メタル・バンドの’12年4th。

怒りと悲しみが入り混じったような気合の入った絶叫グロウルに、地声混じりの泣きそうな絶叫を聴かせるヴォーカルがディプレッシヴな空気を醸し出すブラック・メタル。悲しいメロディのトレモロ・リフのスロー・パートと、叙情性のあるトレモロ・リフのブラスト疾走パートを切り替える起伏の付いた展開もGood。悲しいメロディのエモーショナルな泣きのギター・ソロがあるのも特徴。全7曲でTr.7はKATATONIAの「Murder」のカヴァーであるため、実質6曲ではありますが、8分前後ある曲が4曲、他も6分前後と尺が長めなのでボリューム不足感も一切無し。

曲構成はかなり計算されているので、疾走感ありつつ悲しいメロディも聴けるブラック・メタルが好きな方にオススメ。クサいとか叙情的というよりは、ディプレッシヴ・ブラック、フューネラル・ドゥーム的な陰鬱な悲しさであるところがポイント。トレモロ・リフのメロさ具合からすると、薄メロ・プリミティヴ・ブラックが好きな方にもオススメしたい内容。名作です。

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