INFEST / Onward to Destroy


セルビアのデスラッシュ・バンドの’09年2nd。

ザクザクしたスラッシュ・メタル譲りなリフにデス・メタル的なドロドロ感を加えたリフ、高速2ビートをメインに突っ走るドラムによるデスラッシュ色の強い作品。クレイジーなフレーズとメロディアスなフレーズを切り替えたり、スウィープを駆使したりする何気にテクニカルなソロが結構カッコいいです。

スラッシュ・メタル的なザクザク感が強いパートがある曲や、初期スウェディッシュ・デスを思わせるようなリフの曲、初期のUSデス・メタルっぽい曲、デス & ロールな曲もあり。ともあれ疾走感の強いデス・メタルが好きであればオススメな1枚。曲の尺も大体3分半程度と程よいところもポイント。

INFERNAL DEATH / Call to War

同名バンドがいますがこちらはデンマークのデス・メタル・バンドの’15年 1st。

昔ながらのヨーロピアン・デス・メタル・サウンドをしっかりと継承しているのが特徴的で、割と緩やかなハードコア的な2ビート疾走を多用した展開は初期のENTOMBED辺りを思わせます。そこにミドル・パートやブラスト・ビートによる疾走を交えた緩急ある展開もまさに王道のデス・メタル。低音のスラッシュ・メタル的なザクザクした刻みリフと、ドロドロした重低音の刻みリフを軸に、邪悪なトレモロ・リフも交えたギターが聴きどころ。

バタバタしたブラストと邪悪なメロディのトレモロ・リフのブラック・メタル的パートや、スラッシーな刻みリフとクレイジーなギター・ソロもありのTr.5等、展開が多めの曲もあります。メロディックさがほぼ無い初期ヨーロピアン・デス・メタル的なサウンドが好きな方にオススメ。音質面はクリアすぎず、汚すぎずの’90年代中盤くらいを思わせる音をしています。

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INFERNAL DEATH / Gniew

同名バンドがいますがこちらはポーランドのデス・メタル・バンドの’11年1st。

活動自体は1991年からしていたものの、デモのリリースのみでスタジオ・フルのリリースはこの2011年作が初。Tr.10までが本編で、この再発盤はTr.11~18はボーナス・トラックになっております。ボーナス・トラックは1992年のデモ、Twilight Talesの曲を8曲36分半を全部収録。したがってボリュームはかなりのものになります。

サウンドの方は重低音と中音域のドロドロしたトレモロ・リフや、切れ味のある低音刻みリフを主体としたギター、硬い音でビートを多めに切り替えるドラム、ガテラル・ヴォーカルが印象的な王道のデス・メタル。音質は非常にクリアですが、ヴォーカルにちょっぴりエコーがかかっている質感があって、初期デスゆずりの非常に邪悪なサウンドにしあがっています。

前半はミドル・パートと疾走パートが半々くらいの曲がメインですが、後半になるとタイトな高速ブラスト・ビートが主体のブルータルなナンバーが増えてくるのが特徴。緩急の付いた展開やひねりのあるリズムがある曲はもちろんのこと、ブルータルに爆走する曲も聴きごたえ十分です。曲によっては狂気的な速弾きギター・ソロや、邪悪なメロディのソロもあります。

また、ボーナス・トラックの方はというと、本編とは打って変わって音質が劣悪!ノイズ塗れかつペラッペラな初期のブラック・メタルみたいな地下臭い音質をしており、音量レベルも小さくていかにもデモといった感じの音作りです。2ビートでの疾走やハードコア的なリフなども使った、スラッシュ・メタル上がりのデス・メタルといった感じのサウンドを聴かせてくれます。もはや完全に別物と言っていいサウンドですが、どの道全体から溢れる邪悪な空気は強烈なものがある1枚です。王道のデス・メタルが好きな方にオススメ。

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INDETERMINABLE / Symbols That Disappeared

ロシアのデス・メタル・バンドの’15年2nd。

汚い過ぎない程度にノイズを纏った低音刻みリフ主体のギターと、グロウルを聴かせるヴォーカル、2ビートとブラスト主体の疾走感強めのドラムによる王道のデス・メタル。特別テクニカルすぎたり、超高速だったりということはありませんが、安定感ある演奏とうまくミドル・パートを配した構成やテンポの切り替えを駆使したいくらか起伏のある展開で聴かせるサウンドは素直にカッコいいです。高速パート主体のTr.7が聴きどころ。

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INN13 / Appetite for Vegetarians

UKのスラッジ/ドゥーム・バンドの’13年EP。EPらしいですが、全6曲52分40秒とフル・アルバム的なボリューム。

非常にスローでズッシリしたリズムと、どんよりしてモヤモヤしていたり揺らめくような質感もあるヘヴィなリフによるスラッジ的なパートを軸にしつつ、地声シャウトや狂った絶叫、ほんのり歌う場面もあったりする多彩なヴォーカルと、速弾きソロも聴かせるギター、そしてサックスがフィーチュアされているのが大きな特徴の作品。

時に狂気的に、時に朗々としたフレーズを聴かせるサックスが絡んでくる様はなかなかにアヴァンギャルドな雰囲気で、KING CRIMSON等のプログレッシヴ・ロックや、SHINING(ノルウェーの方)を思わせたりもします。Tr.1の冒頭こそ非常にアヴァンギャルドな雰囲気が強いですが、あとは展開がありつつもスローでヘヴィなスラッジ/ドゥーム・パートが主体なので、ヘヴィ・ドゥーム好きには文句なしにオススメ。

また、Tr.3のように長いギター・ソロがある13分の曲や、Tr.4のようにシャッフル・ミドル・パート主体でストーナーっぽさのある曲など曲によって異なる展開があって聴きごたえは十分です。サックスを要所で導入したりするちょっと変わったスラッジ/ドゥームが聴きたい方にとてもオススメ。EPですがフル・アルバムと同じように楽しめる1枚です。

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KIMAERA / The Harbinger of Doom

レバノンのゴシック・メタル・バンドの’13年3rd。

前作ではドゥーム、デス、ブラック等様々な要素を感じさせつつ展開も多い’90年代初頭のゴシック・メタル的なサウンドを聴かせてくれましたが、今作も内容的にはその延長上。前作までと違うところはヴァイオリニストが女性ヴォーカル兼任となったところ。そしてTr.1でいきなりブラスト・ビートのブラック・メタル的なパートが出てくるように、全体的にもブラスト・ビートが出てくる量が若干増えていたり、高速2バス連打とガテラル・ヴォーカルでアグレッシヴに聴かせるパートが増えているのが大きな特徴。ドゥーム・メタル色はほぼなくなっています。

ゴシック・デス/ブラック…といった感じでもあるのですが、言ってみればこれはOPETHみたいなサウンドになったとも言えます。ヴォーカルはガテラル主体で攻撃的、静と動の切り替わりを繰り返す多めの展開、そしてスロー/ミドル・パート主体ながらも2バス連打とヘヴィな刻みリフでアグレッシヴに聴かせるところはまさにOPETHを思わせます。前作同様ドラムが印象的なフィルやリズム・パターンをたくさん聴かせてくれて素晴らしいです。

とはいえまんまOPETHというわけではなく、このバンドらしさもきっちりとあるところもポイント。それは前作から大活躍のヴァイオリンとキーボードです。随所で加わり耽美さや強烈な悲しみを発散してくるサウンドはOPETHとは異なるもの。やはり攻撃的でありつつもよりゴシック色が強いのがこのバンドの特徴です。今回もブラストが出てくる場面が増えたとはいえ、やはり後半に行くにつれてミドル/スロー主体の悲しく耽美なパートが中心になってきますので、広くこれもゴシック・メタルと言っていいのではといった内容。

また、女性ヴォーカルは前作では高音主体で神秘的な質感が強めでしたが、こちらはメロディアスに歌う場面が多く、悲しさを強調している仕上がりです。8分の曲が無い分前作よりは曲の尺はコンパクトですが、やはり6分前後あるものが中心。ただ展開の多さは前作ほどではなく、アグレッシヴでありつつも聴きやすさも増したかなという印象です。デス/ブラック的アグレッシヴさがありつつ、しっかり悲しく耽美なゴシック・メタルが聴きたい方、デス・ゴシック的なものが好きな方にオススメ。

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KIMAERA / Solitary Impact

レバノンのゴシック・メタル・バンドの’10年2nd。ヴァイオリン奏者入りの6人編成。

悲しみと耽美さを押し出したサウンドが基本ですが、より悲しくフューネラル要素が強かったり、デス・メタル的な疾走感と邪悪さがあったり、中東的なミステリアスさを感じさせたり、ヘヴィでドゥーム色が感じられたりと曲によって様々な表情を見せつけるところが特徴的。デス、ブラック、ドゥームそれぞれの要素が感じられますが、総合的には実験的なサウンドだったあの’90年代初頭のゴシック・メタルのようなサウンドと言えます。

5~8分と少々長めの曲が多く、スローなパートが主体ながらもその中でテンポを切り替えたり、ヘヴィなギター中心の動のパートとギターとドラム無しでヴァイオリンとキーボードが主体の静のパートを切り替えたりといった起伏のある展開で聴かせる曲がズラリと並んでいます。元来、’90年代初頭のゴシック・メタルはプログレッシヴな要素が強いですが、コレもそういった要素は強いです。そうでありつつも一本芯の通った非常に耽美で悲しげなサウンドが魅力的です。

ヴォーカルはガテラル・ヴォイスをメインに囁くような低音掠れデス声からグロウルまでこなす実力派で、そこにゲストの女性ソプラノ・ヴォーカルが絡んで美と醜の見事な対比を演じてくれます。また、Tr.5ではキーボーディストがクリーン歌唱を聴かせてくれますが、これがとんでもなくメランコリックでVery Good。ギターはドゥーミーな質感のヘヴィなリフを中心に、トレモロ・リフも使用してきます。

スローなパートが主体ながらもスリリングな高速金物刻みを聴かせたり、複雑な2バス連打を聴かせたり、曲によってはブラスト・ビートも聴かせたりと器用なプレイを聴かせるドラムも聴きどころ。やはりこのアルバムで重要な役割を担っているのがヴァイオリンとキーボードで、悲しいメロディはもちろん、妖しげなメロディも聴かせることで様々なゴシック・サウンドを演出してくれます。

デス・メタル的な2ビートの疾走パートから急激にクリーン・ギターの静のパートに突入し、その後も静と動を繰り返しメロディアスなギター・ソロも聴けるドラマティックなTr.8、上記の通りキーボーディストがクリーン歌唱を聴かせる絶望的なレベルで悲しいTr.5、これまたレクイエム感全開で尋常じゃない悲しみを誇るラストTr.10が大きな聴きどころ。全体的に聴きどころの多い名盤!

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KARNA PROJECT / The Haunted: Age of Destruction

ロシアのダーク・エレクトロ/アンビエントの’07年3rd。

ロシアっぽい叙情性やとんでもない哀愁といったようなものはなく、ひたすらに荒廃した雰囲気や虚無的な雰囲気を醸し出すアンビエント・ナンバーが並んだ作品。10分半のTr.2ではシンプルで悲しげなメロディが反復するパートも出てきますが、BURZUMのアンビエントのようなシンプルな陰鬱さであり、クサいといった感じではないです。Tr.4、6など曲によってはダンサブルな打ち込みリズムやグルーヴィなベースが入ったテクノ寄りなエレクトロ・ナンバーも収録。

メロディらしいメロディもあまりなく、シンプルなフレーズが反復する荒廃した世界を表現するかのような虚しさが残るアンビエントが聴きたい方にオススメ。

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JUMALHAMARA / Resitaali


フィンランドのメランコリック・ドローン・アンビエントの’10年1st。

オルガンや笛、コントラバスなどを思わせる音色で変化の少ないドローン・アンビエント・サウンドを重ね合わせて、非常にメランコリックなハーモニーを奏でる作品。クラシックの曲なんかでもそういう変化の少ない中でハーモニーを聴かせる静かな楽章とかありますが、言ってみれば雰囲気はそういうものに近いです。中~高音を延ばしたものもあれば、低音を駆使した曲もあり。

8~10分程度の尺の中で基本的には同じフレーズが反復するサウンドの中で少しずつ重なる音に変化が表れていくので、そういった長い中でちょっとずつ変化していくアンビエント、ドローン系サウンドが好きな方にオススメ。リズム楽器やバンド演奏は皆無の純・ドローン・アンビエント作品です。

ドローン音からスタートし、もの悲しいハーモニーが流れて少しずつ違うメロディが流れ、オルガン的な音色が悲しくも美しいTr.1、笛っぽい音色とオルガンぽい音のハーモニーで徐々に盛り上がっていくような感じがするTr.2、低音メインで不気味なハーモニーも響き、精神の内側に侵食されるような非常に陰鬱で不安になるサウンドで、ディプレッシヴ・ブラックのアンビエントが好きな方にオススメなTr.3、低音主体のパートと高音主体のパートが切り替わるTr.4と、微妙に異なったドローン・アンビエント・ナンバーがじっくりと楽しめる名作。

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MIND MASQUE / Mind Masque

ドイツのテクニカル・メタル・バンドの’98年1stにして唯一の作品。後にXANDRIAで長らく活躍することになる(B)Nils Middelhauveが在籍していたバンド。

歌メロはそんなにキャッチーではないながらも要所でキャッチーなサビメロや叙情的なメロディを繰り出してくるスタイルで、ヴォーカルは若干吐き捨て気味なところがありつつもしっかりと芯があって力強いハイトーン歌唱を聴かせてくれます。リズム面は変拍子で攻めるところは攻め、それ以外は比較的ストレートにといった感じですが、ちょっとしたアクセントにサビで変拍子が出てくる場面もあるなど出てくる場面自体は多めで総合的にはかなりテクニカル。

主張の強い音作りで派手な速弾きソロや泣きのソロを流麗に決めるギターに、これまたギターに負けないくらいに高速で派手なソロを聴かせるキーボードも大きな聴きどころ。Tr.5のようにギターとベースがユニゾンしてきたり、ベースが若干目立つ曲もあります。変拍子が多めで他より叙情的な歌メロと泣きと速弾きのソロが印象的なTr.3、美麗な静のパートと泣きのギターが印象的なTr.4、間奏の変拍子だらけのパートがテクニカルなTr.5等、ハードさを抑えて叙情性を強調し、泣きのギターやエンディングのピアノが美しい10分弱のTr.7が大きな聴きどころ。

曲の尺も7~8分程度の曲がほとんどで、カッチリしつつも巧みな展開でじっくりと聴かせてくれます。バンドが続いていればもっとメロディ面が魅力的になったりとかの進化があったのかな~と思えるような1枚。ともあれ、テクニカル/プログレッシヴ・メタル・マニアは聴いてみて損の無い1枚です。

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