CRUX CAELIFERA / Ad Lucifer Aeternam Gloriam

ブラジルのブラック・メタル・バンドの’04年1st。

各曲6~8分程度の長さがありつつもとにかくひたすらに疾走しないサウンドが特徴的で(笑)、ミドル/スロー・パートがメインの不穏なブラック・メタル。ちょっぴりゴシカルな雰囲気を醸し出すキーボードと、たまにメロディックなフレーズを聴かせるギター、グルーヴィなベースが印象的なゴシック・ブラックといった感じの曲が中心で、Tr.1のように不穏なキーボードの音が初期EMPERORやGRAVELANDを思わせるような曲もあります。ラストTr.8はメタル色が一切ないとても荘厳なインストなので、こういったところからもこのバンドのゴシック志向が伺えます。

ただ、長い曲のバンドの多くが疾走パートとミドル/スロー・パートを巧みに切り替えてドラマティックに聴かせる手法を取るのに対し、ホントに疾走しないので起伏に欠けるところがあり、ちょっと曲そのものが冗長に感じられるのが難点。一部の曲ではリズムにテクニカルな面があったり、ヴォーカルも掠れデス声主体に朗唱も聴かせたりといった手法で聴かせるのが特徴です。基本不穏でありつつもゴシック色があるゆったりとしたブラック・メタルが聴きたい方にオススメ。

メタルの宮殿の商品ページはこちらです。

CRUEL HUMANITY / Creatures Of Fear

UKの個性派メロディック・ブラック・メタル・バンドの’03年1st。

時にフワフワと時にキラキラとしたキーボードに、掠れデス声主体のヴォーカル、少し薄っぺらい音質によって醸し出される冷たい雰囲気でブラック・メタル的なサウンドを下地にしていますが、刻みリフが主体で、メロディアスなソロのみならずバッキングでも高音のメロディックなフレーズを多用するギターはメロデス的ですし、グルーヴィなフレーズを聴かせるベースや、一部打ち込みも用いた機械的な質感のドラムもあって、ただのメロブラとは一味違ったサウンドが特徴的。

ストリングス系の音色でゴシカルさも時折醸し出しますが、割とブラストとパワー・メタリックな疾走パートが主体で疾走感はほどほど。総合的にはメロデス色とエレクトロ系サウンドの要素もある個性派のメロディック・ブラックといった感じ。特にグルーヴィなベースが印象的で展開も多めの8分のTr.4と、ブラック・メタル色が無く爽やかな叙情的なインストと言ってような前半からブラック・メタルらしい疾走パートへ移行するTr.8などが聴きどころ。ちょっぴり個性的なメロブラが聴きたい方にオススメ。

メタルの宮殿はこちらです。

CREST OF DARKNESS / Project Regeneration

ノルウェーのブラック・メタル・バンドの’00年3rd。なんとex:CONCEPTIONの(B)Ingar Amlienが中心となって活動しているバンド。Ingarはここでは(Vo,G)を担当(作品によってはベースも)。CONCEPTION活動時も並行して活動していたようです。

邪悪な刻みリフとトレモロ・リフ、タイトで硬質なブラスト・ビートによってインダストリアル・ブラックのような機械的な冷徹さが漂っているのが特徴的なブラック・メタル。実際にインダストリアル・ブラックと言えるのはTr.10のみですが、ブラスト・ビートによるタイトな疾走パートと変拍子交じりのメカニカルなリズムのミドル・パートを切り替えたり、掠れデス声主体に抑揚の無い低音歌唱を不気味に聴かせたりするところが機械的で冷徹な雰囲気を醸し出してきます。

また、ギター・ソロは結構メロディアスなところが特徴的で、そこは完全にブラック・メタル畑ではないIngarのなせるわざかなと思わせてくれるところです。曲によっては女性ヴォーカルをフィーチュアしてゴシカルな雰囲気も醸し出してきます。総合的にはちょっとテクニカルで個性的なブラック・メタルといった感じ。トレモロ & ブラストの王道のブラック・メタルとも、打ち込み等を駆使したインダストリアル・ブラックとも少々趣が異なったサウンドです。

メタルの宮殿はこちらです。

CORPSE OV CHRIST / To Goat Empire…The Lucifer Desire

ブラジルのブラック・メタル・バンドの’12年1st。

南米的なブラック/スラッシュ系サウンドではなく、北欧直系のプリミティヴ・ブラックが下地になっているブラック・メタル。Opus~の頃のMARDUKを思わせるような篭り気味でギターが後ろに引っ込んだミックスのサウンドが印象的ですが、ドラムとヴォーカルは前面に出ていてそこそこ厚みもあります。そして5~8分の若干長めの尺の中で爆走パート主体にミドル/スロー・パートに切り替えたりして静と動の対比で聴かせるサウンド。

そして構成がかなりハッキリクッキリしているのも特徴的で、前半ひたすら3~5分ほど爆走、後半はスローとか、2分爆走2分ミドルまた2分爆走とか、大雑把に言うとそういった感じの内容。とにかく爆走パートでの爆走ぶりが見事で、よくもまぁそれだけ長い時間爆走するなぁと感心する系のサウンドですw また、メロディックなフレーズも聴かせるベースがなかなか印象的で、爆走ぶりやそういったベースがちょっぴり目立つところなんかも’90年代のMARDUKを思わせます。

爆走するところは爆走し続ける反面、スローなところも同じく長めにスローなのでそこは好みが分かれるかも。また、かなりハイテンションに喚き散らすヴォーカルも特徴的です。このヴォーカルは時折ガテラル気味の低音デス声や、生気の感じられない低音の呟くようなヴォーカルを聴かせるところも特徴的。ギター・リフはシンプルかつ不穏で寒々しいものが反復するスタイルなので、メロディックすぎない爆走ブラックが好きな方にはとてもオススメ。

上記の通りミドル/スロー・パートもありますが、爆走パートの爆走ぶりが際立っている作品なので、プリミティヴ・ブラックが下地のファスト・ブラックが好きな方に是非とも聴いてみてほしいです。

CHTHONIAN / Of Beatings and the Silence in Between

フィンランドのファスト/ブルータル・ブラック・メタル・バンドの’07年1st。FINNTROLLのMathiasらによる3人組。

ミドル・パートが多めのTr.1は少々インパクトが弱いですが、その後の曲はブルータルなブラスト爆走パートが中心となっており、とにかく強烈!また、ミドル/スロー・パートにおいても手数多く、高速の2バス連打も聴かせるドラムによって総合的なブルータリティはとても高め。ギターはブラック・メタルらしい不穏なリフを連発して焦燥感を煽り、その下を時に高音域も駆使しながらグリグリと高速で動き回るベースも印象的です。

ファストでありつつトレモロ・リフのメロディックさも控えめなところもポイント。不穏なリフを軸に、寒々しいリフも纏いつつブラスト爆走パート中心のブルータルなブラック・メタルが聴きたい方にオススメ。音圧もしっかりとあるクリアで良好な音質なこともあり、ブルータリティや疾走感では1stの頃のZYKLONにも劣らないレベルです。爆走パートの割合ではMYRKSKOGに幾分劣るものの、やはりMYRKSKOGやZYKLON等が好きな方に是非とも聴いてみてほしい1枚。FINNTROLL的な要素は一切無いですw

CALL OV UNEARTHLY / Blast Them All Away

ポーランドのデス・メタル・バンドの’12年1st。DARZAMAT、INFERNAL WARのChrisらによるバンド。

終始ブルータルに爆走というわけではないながら、ブルデスばりの音圧と速度で爆走するブラスト・パートが印象的なデス・メタル。曲自体は2~3分と短いながらも、その中でビートやリズム、テンポが切り替わる起伏のある展開で聴かせるところが特徴的で、変拍子を使用したところやMORBID ANGELみたいな妖しくも流麗なギター・ソロが曲によっては飛び出すのも特徴。

Tr.1こそメロデス的なリフが出てきたりしますが、高速爆走主体で聴かせるTr.3、4、7等はドロドロしたリフが主体でほぼブルデスと言っていいような感じなので、どれかと言えばブルデスが好きな方にオススメ。ブルデス的なブルータリティを誇るパートがありつつ、起伏のある展開で聴かせるデス・メタルです。トータル24分とボリュームは少ないですが、音が詰まったブルータル・サウンドは8曲でも十分なくらいです。

メタルの宮殿の商品ページはこちらです。

DISKREET / Infernal Rise

USのテクニカル・ブルータル・デス・メタル・バンドの’07年EP。

3、4分の尺の中でブラスト・ビートと2バス連打による高速爆走を軸に、目まぐるしくビートやリズム、テンポを切り替えまくり、変拍子も多めに交えながら突進する超絶テクニカルなブルータル・デス・メタル。ギター・リフの質感はかなりぐちゃっとしており、ドラムもカンカン乾いていて、下地になっているのはオールド・スクールなデス・メタルです。ギターは低音の死臭漂うリフに、動きの非常に速い刻みリフ、さらにスウィープ・フレーズ等を織り交ぜてくるスタイルでとにかくテクニカル。複雑なリズム・パターンを連発しつつ手数も多いドラムも当然のことながら強烈。

EPゆえに7曲入りでトータル26分しかないですが、音数の多さで圧倒してくるサウンドなのでコレでも十分なくらいのボリューム。やはり2nd、3rdの頃のCRYPTOPSYなどが好きな方に聴いてみてほしい作品。高速ブラストに激遅スラム・パートまでありなので、オールド・スクール・デス・メタル下地のテクニカル・ブルータル・デスが好きな方に特にオススメ。

メタルの宮殿の商品ページはこちらです。

APHRODISIAC / Nonsense Chamber

ノルウェーのノイズ/ダーク・アンビエントの’97年1stにして唯一の作品。FLEURETYのSvein Egil Hatlevik、DODHEIMSGARDのVicotnikによるデュオ。

多彩な楽器やナレーション等のサンプリングや電子音を駆使し、ノイズをまぶしたダーク・アンビエント。メタル色やメンバー由来のブラック・メタル的な要素もありません。とにかく全編に亘り不穏でダークで、ところどころメロディらしいメロディも登場してきますが、基本的にはメロディらしいメロディもリズムらしいリズムもないアヴァンギャルドなノイズ・アンビエント作品です。明るさやメロディアスさなどが無く、かつ時に中世的、時に儀式的だったりと多彩なアンビエントが聴きたい方にオススメ。

ALLFADER / At Least We Will Die Together

ノルウェーのブラック・メタル・バンドの’06年1st。

ガッシリした刻みリフと、時に邪悪で時にメロディックなトレモロ・リフを併用するギター、ブラスト・パートとミドル・パートを切り替えるドラムによるガッシリしたブラック・メタル。曲の構成がカッチリしており、トレモロ・リフがかなりキャッチーであるところから、ブルータリティがありつつもかなり分かりやすいサウンドが魅力的。そして特に大きな聴きどころとなるのがリード・ギタリスト、Per Vallaのギター・ソロ!非常にテクニカルかつ流麗で、邪悪なメロディのソロをメインに曲によっては叙情的なメロディも聴かせてくれます。

ヴォーカルは絞り出すような汚い掠れデス声と気合の入ったグロウルを併用するスタイルで、これもなかなかの迫力。音質も非常にクリアで厚みがあり、演奏力、楽曲とも申し分無く、クウォリティ重視の方にはとてもオススメな1枚。

ABIGAIL WILLIAMS / In The Absence Of Light

USのブラック・メタル・バンドの’10年2nd。

1stではEMPERORのTrymがゲスト参加し、バンドのサウンドそのものも2nd辺りのEMPERORやDIMMU BORGIRを思わせるような高品質なシンフォニック・ブラックだったわけですが、今作はそこから若干路線変更。キーボードの使い方がオーケストラ的なシンフォニックな感じではなく、冷たい空気を運んでくるスタイルに変わっているのが大きな特徴で、Tr.1から寒々しいキーボードとトレモロ・リフを活かしたEMPERORの1stの曲を思わせるようなシャッフル・ミドル・ナンバーが飛び出してきます。

とにかく曲がよく練られているのがポイントで、複雑な構成をしていて6~8分と若干尺も長めですが、リフが分かりやすくフックがありメロディも魅力的なところが素晴らしく、決して聴いていて複雑に感じさせない仕上がりになっているのが特徴。そしてドラマーがまた素晴らしい働きをしており、EMPERORのTrymを思わせるような怒涛の高速ブラストと2バス連打を決めまくりつつ、やはりTrymを思わせるような豊富な手数とリズム・パターンで聴き手を魅了してくれます。ミドル/スロー・パートでの多彩なリズム・パターンに、流れるようなドラミングが実に素晴らしいです。

ミドル・パートが主体の曲もありますが、ブラスト・ビートによる疾走パートが多く、とてもウマく起伏のついたサウンドになっています。また、寒々しく不穏なトレモロ・リフをメインにしつつ、要所でメランコリックさを孕んだメロディックなトレモロ・リフが大炸裂したり、非常にメロディアスなギター・ソロが炸裂したりして、邪悪さを保ちつつもドラマティックに聴かせてくれるところも魅力的。

前作のシンフォニックさが好きだった方にはイマイチかもしれませんが、やはりトレモロ・リフのメロディやフックある刻みリフの数々は魅力的ですし、冷たい質感のキーボードに、怒涛の手数足数を誇るドラムも聴きごたえ抜群です。カッチリしたブラック・メタルが好きな方に非常にオススメの名盤。

メタルの宮殿の商品ページはこちらです。